「絶縁抵抗測定って、結局何をすればいいの?」
「法令の話が出てくると急に難しくて不安になる…」
現場に入ったばかりの頃は、誰もがそう感じるものです。
この記事では、電験三種を取ったばかりの方や、現場経験が浅い方のために、絶縁抵抗測定の重要性と正しい手順を分かりやすく解説します。
この記事を読み終える頃には、自信を持って測定の準備ができるようになっているはずです!
絶縁抵抗測定は「電気設備の健康診断」
絶縁抵抗測定とは、一言でいえば「電気が漏れていないかを確認する健康診断」です。
電気は、決められた回路の中だけを流れるように管理しなければなりません。
もし絶縁(電気の漏れを防ぐカバー)が劣化して電気が漏れると、感電事故や火災を引き起こす危険があります。
私たちが測定を行う目的は、設備が正常に機能しているかを数値で証明し、「今日も安全に電気を使える状態です!」と確認することにあります。
守るべきルールは「漏らさない」と「基準値」
法律や規則の言葉は難しく感じますが、私たちが覚えるべきルールは実は2つだけです。
一番大切な基準を、わかりやすく噛み砕いて説明します。
1. 「電気は大地からしっかり絶縁すること」
まず大前提として、「電路(電気の通り道)は、大地から絶縁すること」と電気事業法で決められています。
(絶縁=電気が外に漏れないようにガードすること)
もし絶縁が破れると、人体や物件に危害を及ぼす事故につながるからです。
基本は「絶対に漏電させない」と覚えておいてください。
2. 「これ以上の抵抗値がないとダメ」という明確な数字
では、どれくらい絶縁されていれば安全と言えるのでしょうか。
具体的な基準値は「電気設備の技術基準の解釈(電技解釈)」の第58条で決まっています。
年次点検でも、この法律で規定された値以上あるかを必ず確認します。
現場でよく使う低圧回路の基準値を、分かりやすく表にまとめました。
| 電圧の区分(どんな回路か) | 基準となる絶縁抵抗値 |
| 対地電圧150V以下(100Vコンセントなど) | 0.1MΩ以上 |
| 300V以下で上記以外(三相200V回路など) | 0.2MΩ以上 |
| 300Vを超えるもの(400Vの動力機器など) | 0.4MΩ以上 |
※対地電圧とは、電線と大地の間の電圧のことです。
つまり、国から「最低限この数字はクリアしてね」と決められているわけです。また、現場によっては1MΩ以上無いとダメ!という独自の基準を設けている事業場もありますが、その場合は上記表の基準値より高ければ問題ありません。
絶縁抵抗測定の具体的な手順
それでは、実際の現場での手順をステップ形式で確認しましょう。
- 停電を確認する:測定する回路の主電源(ブレーカー等)を必ず切ります。通電中の測定は電圧の二重印加になるため厳禁です。
- 検電を行う:検電器を使い、本当に電気が来ていないかを目視と音でダブルチェックします。
- 絶縁抵抗計(メガー)を接続する:
- 「L端子(赤コード)」を測定する電路側に。
- 「E端子(黒コード)」を接地側(アース)に接続します。
- 測定ボタンを押す:電路が長い場合は、数値が安定するまで数秒~1分ほど待ちます。
- 数値を記録する:測定結果を点検票に記入し、基準値をクリアしているか判断します。
対地間測定と相間測定の違いとは?
測定には対地間と相間の2種類があり、調べる対象が異なります。
- 対地間測定(電路と大地のあいだ)
- 電線から、建物の鉄骨や大地に電気が漏れていないかを調べます。
- 主にケーブルの被覆(ひふく:電線を覆うゴムなどのこと)の劣化を見つけます。
- 相間測定(電線と電線のあいだ)
- 電線同士がショート(短絡:本来のルートを通らずに電線同士が接触すること)していないかを調べます。
- ※注意:機器が接続されたままだと、機器の内部回路を巻き込んで正しい値が出なかったり、機器を壊したりするため、基本的には機器を切り離して行います。
初心者がやりがちなミス・ヒヤリハット
安全に作業するために、以下の点に注意してください。
- 停電確認の不徹底:もっとも危険です。確認を怠ると、自分自身が感電する恐れがあります。
- 電子機器の接続忘れ:測定前に、インバータや精密機器を回路から外さないと、高電圧で故障させてしまうことがあります。
- 測定後の復旧忘れ: 測定して終わりではありません!ブレーカー等の復旧を忘れずに実施してください。
まとめ:積み重ねがプロへの近道
絶縁抵抗測定は、ビルメンの仕事の中でも基本中の基本です。
最初は手順に緊張するかもしれませんが、「安全を確認して、数値を記録する」というプロセスはどんな現場でも同じです。
焦らず、一つひとつの手順を丁寧にこなしていきましょう。
皆さんの現場での活躍を応援しています!


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